誰かの世界を変えるもの
オバマもヒトラーもキング牧師も、みんな世界を変えるために語った。
大学の専攻を聞かれて、文学部です。と答えるとだいたい次にくる質問は決まっている。
「なんの役に立つの?」
そういうひとは大抵、大学の専攻分野が就職に直結するような、そういう目に見える分かりやすいものが好きだ。医学部といえば医者になるし、薬学部といえば薬剤師になると決まっている。
好きだから勉強している、じゃ納得できないのだ。それは役に立たないことだから。
そういう人たちは知らない。世界を変えるために語るひとだけが、ひとを変え、世界を変える。そうでないひとは、変えられる。知らない間に。ただ、それだけだ。
知らずしらずのうちに、悪意ある誰かに勝手に自分を書き換えられないように本を読むようになった。世界を変える言葉に耳を傾けられるように言葉を聴くようになった。
そして、わたしもどうせなら、世界を変えるために語って、ひとを変えるために文章を書きたい。
まだまだだ、もっと、もっと。
もっと世界を変えるような、言葉が欲しい。
もっと自分が崩れるような、文章が欲しい。
まだ足りない、いくら読んでも。
読み足りない。